岡山ライトハウス点字出版所の様子をご紹介いたします。
ドラマで出会ったエピソード
2026年10月8日
今年の6月、引退した先輩から役目を引き継いだ盲導犬ワルツがデビュー。バスでの通勤もスムースにこなし、所内での「自分の居場所」にもすっかりなじみ、落ち着いて過ごしています。
ところで、テレビドラマをよく観る私は、6〜7月の夜ドラ「ミッドナイトタクシー」(NHK、全32回)を観ました。夜中にタクシーを走らせる主人公がいろいろなお客を乗せ、それぞれの人生の一コマにふれあっていくストーリー。第27話は、タクシードライバーとしてではなく、知り合いの依頼で、休日に、引退した盲導犬に会いに行く女性に同行するという内容でした。もちろん元盲導犬は、元パートナー(ドラマでは俳優さん)に一直線で飛び込んでいきました。
手話や白杖などがドラマや映画などの映像にも描かれることが増えてきていますが、「引退した盲導犬に会いに行く」というエピソードのドラマ化は私には初めてでした。いろいろなエピソードが社会の一場面として映し出され、社会になじんでいくのですね。
(深呼吸)
危ない通勤路
2026年10月1日
岡山ライトハウスは、旧国道2号線から南に200mほどの所にあります。
私は、旧国道2号線にあるバス停で路線バスを降り、歩いて通勤しています。旧国道から南に向かう道には歩道がなく、しかも右側には用水路があります。朝の通勤時間には車も多く通ります。
視覚障害者が歩いていて、一番危ないなと思うのは、どこかに落ちることです。代表的なものは鉄道駅のホームから落ちることでしょう。用水路に落ちるのもその一つです。
幸い、通勤路の用水路にはガードレールが設置されています。しかし、駐車場の入り口、家の入り口などの部分はガードレールは途切れ、引き込み用の橋がかかっていて、ちろんその橋にはガードレールはありません。間違えてこの橋の上に乗ってしまった場合、用水路に転落する可能性があります。実際、以前、当出版所に勤めていた職員が転落し、けがはなかったものの、どろどろになって大変だったと聞きました。
実は、私も別の場所ですが、このような用水路に転落したことがあります。
道路の中心に寄れば車が来るし、端に寄れば用水路に転落する恐れがあるので、私は、ガードレールを白杖で確認しながら、そろそろと歩いています。職員に迎えにきてもらったり、近所の方が声をかけてくださって連れてきてくださったりもします。大変ありがたいことです。
みなさんの力もお借りしながら、交通事故にも遭わず、用水路にも落ちず、安全に通勤したいと考えています。
(しみぽん)
読み合わせ
2026年9月24日
当出版所では、理療科で使用する教科書を製作したり、自治体が発行する広報誌や各種団体のお知らせなどを点訳したりする業務を行っています。その過程で欠かせない重要な作業の一つが「読み合わせ」です。見える職員が墨字(活字)の原稿を読み上げ、私たち点字使用者の職員が直接入力していったり、すでに点訳された内容に間違いがないか、点字を読みながら原稿との突き合わせを行ったりします。
ただ文章を淡々と読み上げるわけではありません。句読点やかっこの種類(開き・閉じの区別も含めて)、改行にいたるまで、墨字と点字の内容に一切の齟齬がないように、丁寧に細かく確認していきます。普段の生活で、文章をわざわざ声に出して読む機会はそうそうないのではないでしょうか。それを、普段なら無意識に読み飛ばしてしまうような細かな記号類まですべて声に出して読むというのは、なかなか神経を使う作業です。
さらに、墨字の読み手を悩ませるのが、漢字の読みの難しさです。点字はすべてかな表記で表されるため、書かれている内容を完全に「音」へと変換しなければなりません。普段見えている人が本や資料を読むときは、漢字の正しい読み方が曖昧であっても、形を見ればなんとなく意味を察してスルーできてしまいます。しかし、読み合わせの場ではそんな「ごまかし」は一切通用せず、すべてを正確に口に出さなければなりません。
読み方を誤って覚えていた文字があったり、人名や地名といった固有名詞など、初見ではどう読むべきか判断に迷う言葉にぶつかったりと、スムーズにいかないこともしばしばです。そうした分からないものを一つひとつ調べて確認しながら進めていくため、この読み合わせには結構な手間とエネルギーがかかります。こうした地道で細やかな確認作業の積み重ねの上に1冊の点字本ができています。
このコラムを読んでくださった皆さんも、お暇なときにでも、お手元の文章を句読点や記号まですべて声に出して読んでみてはいかがでしょうか。言葉の持つ重みや、いつもとは違う新しい発見があるかもしれません。
(アルチー)
音響式信号機とライトハウス
2026年9月17日
所長のつぶやき「平和を願う夏」におもう
2026年9月10日
8月号の所長のつぶやきは、「平和を願う夏」。
1945年8月6日は広島に、8月9日は長崎に原子爆弾が投下され、多くのかけがえのない命を犠牲にし、日々の暮らしが破壊されました。あれから81年、平和を願う平和記念(祈念)式典では、平和宣言をはじめ、平和を願うメッセージが、参列者のみならず全世界の人々に向けて、強く、重く、直接的に語りかけられました。「平和とは、誰かからあたえられるものでなく、世界中の人々で創り上げるもの」と。
私たちは永遠の平和を求めている。では、平和のために何をすればいいのか?
私たちは想像力を以って、取り組んでいかなくてはならない。想像力の源はまず
は「知る」ことから。過去を学び、現実を見つめ、今、何が大切なのかを考え、明日からの未来につなげていこうという、所長のつぶやきが聞こえてくるように思いました。
(深呼吸)
ルイ・ブライユ六点式点字考案200年記念誌
2026年9月3日
『ルイ・ブライユ六点式点字考案200年記念 日本における点字普及の歴史と点字文 化』(社会福祉法人 日本視覚障害者団体連合発行 203p)という記念誌です。
「日本点字の考案と発展」「盲教育の発展と点字の普及」「点字出版の誕生と発展」「点字教科書の発行」「点字雑誌の発行とその影響」「点字図書館の発展」「点字の公認運動と点字の市民権」「点字筆記具の歴史」「点字の電子化」の9つの章からなっていて、それぞれに詳しい先生方が執筆されています。点筆筆記具や電子化技術に関しての説明や写真も豊富です。点字の発展に多くの人の情熱と努力があったことが詳細にわかります。
私自身は当施設で仕事をするまでは点字に関してほとんど知りませんでした。点字の歴史や文化の発展を深く知るのに最適な一冊だと思いました。
(ゆずりん)
お嬢さま、あんよがアチチですよ。
2026年8月27日
いまだ続く猛暑。真夏の太陽に熱せられたアスファルト。特に退勤時には、あっつあつになっています。そんな過酷な通勤ルートを帰るワルツ嬢。彼女の首元には保冷剤いりネッククーラー。そして、かわいらしいおみ足には遮熱シューズが。ただ、この遮熱シューズ、どうやらお嬢さまはお気に召さない様子で、履くと足をプラプラさせています。「うっかり脱げたりしないかな〜。」と期待しているようにも見えます。
でもね、お嬢さま。シューズがないと、あんよがアチチですよー。
はやく素足で歩けるよう、涼しくなる日を心待ちにしています。
(だっく)
酷暑をともに
2026年8月20日
今年は例年に比べ中国地方の梅雨明けが早く、7月上旬から暑い日が続いております。皆さまいかがお過ごしでしょうか。私はいただいた夏季休業で、ちょっとひと息ついたところです。さて、当施設のご近所に、岡山ドームという施設があります。その東隣の広場に、今年も木下大サーカスがやってきました。私は市内バスで通勤しているのですが、当施設の最寄りのバス停で降りると、サーカスの大きな赤テントを見ることができます。
木下大サーカスは岡山発祥のサーカス団ということもあり、ちょくちょく地元で公演をしてくれます。今年は前回公演から3年ぶりです。今年の公演は6月末から始まり、9月27日まで続くので、勝手ながら、暑いさなかをともに生き抜く同士のような気分でいます。酷暑に負けず、どうぞ無事に公演を終えられますように。
(ぺん)
点字出版所の夏季休業
2026年8月3日
暑中お見舞い申し上げます。「フ―!今年は昨年よりも一段と暑いよね!」と、毎年言っているように思っていますが、今年は、とうとう、「酷暑日」(40℃以上の日)の運用がはじまりました。毎日、公共交通機関を利用して通勤している職員は、帽子や日傘はもちろん、ネッククーラーや手持ち扇風機、盲導犬も首の周りに保冷剤をたくさんつけ、遮熱シューズを履いて、みんな「フ〜」。自家用車での通勤も強い日差しに車内の温度は上昇が止まりません。みなさまも、どうぞご自愛くださいませ。
さて、当点字出版所は、次週は祝日等も含め、8/11(火)〜8/16(日)は夏季休業となります。御用がございましたら、今週中にお願いいたします。
お急ぎのこともおありかと思いますが、8/17(月)からの営業再開となりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
(深呼吸)
8月初めの研究会
2026年7月30日
8月初めに二つの研究会があります。
まず、6日(木)の午後に、日本理療科教員連盟中部支部の研究会にオンラインで参加します。テーマは、理療科の教科書についてです。国家試験出題基準が改定され、これがどう教科書に反映されるか、現場の先生方には大変気になるところだと思います。私も現場の先生方のお話を聞き、教科書編集に生かしていきたいと考えています。
もう一つは、8日(土)から10日(月)まで岡山市で行われる「第44回全国理療教育研究大会」です。私は、研究会立ち上げの頃から関わっていますので、毎年参加しています。私のように現役教員ではない者も参加しますので、この人たちを対象に、岡山ライトハウスが運営する就労支援施設、治療院の見学を予定しています。
どちらの研究会も、私たちの仕事をみなさんにご理解いただく、よい機会だと思います。
(シミポン)
点字用紙の行方
2026年7月23日
読み終わった点字用紙も、多くの作業所で封筒や一筆箋などに生まれ変わっています。 私の手元にあるこのバッグは、点字プリンター用連続用紙の「耳(端の余白)」で作られたものです。切り取った細長い耳を小さく折りたたみ、一つひとつ組み合わせてバッグの形に仕上げられています。
よく見ると、紙送り用の丸い穴がいい感じの模様になっているんですよ。折り重なっているため、思いのほかしっかりとした丈夫な作りです。
なかなか素敵な作品だと思いませんか?
実はこれ、いただき物なのですが、自分でも作ってみたいと思いつつ、なかなか取りかかれずにいます。材料となる「耳」なら、山のようにあるのですが……。(画像のチャームは附属しておりません)
(アルチー)
機器のメンテナンス
2026年7月15日
当施設では点字図書を作成するために、色々な機械を使用しています。
原版に点字を打刻する製版機、原版の間に用紙を挟んで圧をかけて印刷する印刷機、用紙の端を折る紙折り機など、いずれも、機械なので定期的なメンテナンスが必要となります。
日常で出来るメンテナンス(注油・清掃)は職員が行いますが、数年に1度はメーカーさんに送って、本格的な整備を行います。その際に不具合があればメーカーさんに伝えて修理・調整をして頂きます。いずれにしても、点字作成の機械はワンオフ(量産がきかない)なものであり、価格もそれなりに高価です。
視覚障がい者の方々に、安定した点字図書を供給するためにも、機械は使用するだけでなく、定期的に正しいメンテナンスを今後とも行っていきたいと思います。
(ベル・ルイ)
岡山ライトハウスの理事会
2026年7月9日
先月、当法人の理事と幹事の全員が出席して、理事会が行われました。主な議題は、「令和7年度事業報告及び令和7年度計算関係書類並びに財産目録の承認について」。監事のお二人からは、「適正に処理されている」という監査報告をいただき、無事に承認されました。
理事会では、事業報告として、各部署に所属する理事から具体的な状況と今後の課題と思われる点について説明を行いました。点字出版所からは、理療科教科用図書の改訂・販売状況や点字広報の発行状況など、そして点字ユーザーの減少が今後も予想されるが、「視覚障害者の福祉の増進」という本法人の理念を追求しつづけていくことを強く説明しました。就労継続支援B型事業所であるワークランド虹からは、点字入りの名刺や封筒作成など取り組んでいる作業内容や余暇活動の様子など、また、その従たる作業所であるあしたば治療院(表町、北長瀬、青江)からはより多くの患者様に満足していただけるよう日々奮闘している利用者やその姿を見守る指導員の様子等についての説明がありました。
今年度も引き続き、一層の福祉の増進を願いながら、日々活動してまいります。
(深呼吸)
ナフサ不足で貴重な印刷用紙
2026年7月2日
中東情勢悪化によるナフサ不足が問題となり、暮らしの中の身近なものにいかに多くナフサが使われているか改めて知ることとなりました。プラスチック類、塗料、肥料等、様々なものに影響が出ていますが、紙、ことに印刷用紙への影響も大きく、各製紙メーカーが値上げを発表し入手困難な状況になっています。パルプを漂白する工程で使用される薬剤や紙の表面をツルツルにするコーティング剤、紙同士を接着する加工剤にはナフサが使われているからだそうです。
ライトハウスは年間に多くの紙を使用します。活字や点字の教科書、広報等のお知らせに使う紙・・・。当たり前に使用していた印刷用紙ですが、今はとても貴重なものとなっています。
ナフサの供給不安はいつまで続くのでしょうか。今後ホルムズ海峡が開放されたとしても、様々な物の流通や加工が戻るには相当な時間がかかるといわれています。いったん高騰した価格も、原材料費以外の企業側の人件費や費用などの固定費が上がっているので元の水準には戻りにくいと聞きます。紙不足の心配を感じつつ、なるべくロスを出さないように気をつけて日々印刷の仕事をしています。
(ゆずりん)
点訳ボランティアさん、ありがとうございます
2026年6月26日
当出版所では、点訳ボランティアの方々に広報などの点訳をいくつかお願いしています。届いたばかりの原稿をそのお一人のお宅にお持ちするのですが、いつも玄関前に「季節」が待ってくれています。
春まだ浅き頃は、植木鉢いっぱいに芽吹き始めていたチューリップが、その翌月には「黄色やピンクは終わって、もう白色だけになってしまったんです」とのことでした。咲き終わった植木鉢は庭へ移され、次の季節を待っていました。
先月はというと、黒い連結ポットの中で、2本ずつ背を伸ばしている緑色の芽の姿がありました。「こちらはオクラ、こちらは枝豆、・・・」とお忙しい夕暮れ時にもかかわらず、説明していただきました。
種や球根を一つひとつ、大切に植えられるように、点字も一文字、一文字、心を込めて入力してくださっているんだなと、とても心が暖かくなり、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
できあがった点訳データはメールで届くので、「来月はどんなに大きくなっているのかな」とワクワクしながら、毎月のお届けのときを心待ちにしています。いつもありがとうございます。
(深呼吸)
今年の教科書改訂作業
2026年6月18日
今年の教科書改訂作業がはじまっています。
今年度は、基礎理療学�T(東洋医学概論)、基礎理療学�V(新版理療理論)、臨床保健理療(あん摩マッサージ指圧師用東洋医学臨床論)の改訂を予定しています。今春改定された、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の「国家試験出題基準」((公財)東洋療法研修試験財団)に対応したものを目指しています。
このうち、東洋医学概論は、1993年の初版から改訂を重ね、今回第9版となります。30年を超えて研鑽を積み重ねた著者のライフワークの集大成ともいえるものが完成しつつありますので、ご期待ください。
他の2タイトルは、これから原稿が出揃ってくる状況です。ちょっとタイトな作業期間ですが、今年度中に間に合わせるべく、頑張って参ります。
(ぺん)
なんて勝手な話
2026年6月11日
じめじめじめじめ・・・梅雨が・・・梅雨がやってきました。秋や春にくらべ、梅雨を歓迎する声が少ない気がするのは、やはりこの湿気のためでしょうか。移動する際にぬれる。傘もカッパも煩わしい。洗濯物は乾かない。体は重だるく、気分もどことなく鬱々としてしまう。「はやく梅雨なんて終わればいいのに!」そんな声が聞こえてきそうです。
1994年平成大渇水は、雨量が足りないまま梅雨があけ、猛暑の中節水を強いられました。2018年の西日本豪雨災害。七夕の夜の激しい雨音と翌日の衝撃は今も恐ろしい記憶です。
じめじめは鬱陶しい。降らないのは困る。でも一度に沢山ふられるのも怖い。
「湿気はそこそこに。期間は長くも短くもなく。一度に降るのは控えてもらいつつ雨量は確保。できれば8月にもカラカラにならない程度に、さらに夜のうちに降っていただければ最高です。」と、天にむかい何とも身勝手なお願いする今日この頃です。
(だっく)